代表 廣中より

年末のご挨拶

2020年は誰しもにとってさまざまな変化や我慢を余儀なくされる1年となったと思います。

私共も、忘れもしないこの春の4月3日に、インドから緊急帰国して以来、これまでインドと頻繁に行き来していた生産体制から、遠隔でのやりとりをせざる負えない状況になってしまいました。

インドでは生産チームを率いるカランがインド法人「Birgirathi Enterprise」を設立したこともあり、物流が少しずつスムーズにできるようになったことも幸いし、遠隔でもなんとかやれる…という発見があった反面、直接行かないとできないこと、深められないことも多くあり、もどかしい思いもたくさんしました。

一日も早い収束を願いながら、渡航再開の日までしばらくはこの応急処置的な体制を続けていくことになりそうです。

このような状況でもブランドを続けていけるのは、日頃から応援してくださる皆様のおかげです。

制限の多い中、展示会に足を運んで下さった皆様、オンラインでご注文下さった皆様、2020年も本当にありがとうございました!

これまで、ニマイニタイのブランドの根底に大切にしてきたフェアトレードやサステイナブルといった取り組みは、もはや特別な取り組みではなく、さまざまなブランドのコレクションからも当たり前に取り組まれている時代がやってきたと感じています。

私自身がそうであるように「このブランドから買いたい」「この人から買いたい」という動機から服/モノを買う時代、
ニマイニタイも、そのようなブランドとして成長し続けていきたいと思っています。

2021年のニマイニタイもどうぞよろしくお願いいたします。
2021年は、明るいニュースに溢れた1年となりますように!

暖かなお正月をお迎えください。

合同会社nimai-nitai 代表 廣中桃子

代表 廣中より

インド法人設立のおしらせ

2020年7月21日に、インド法人を立ち上げました。
法人名は「バーグラティ エンタープライズ (Bhagirathi Enterprises)」です。

ニマイニタイの生産地、インドでの活動は今後このバーグラティ エンタープライズを通して行います。
通称カラン、本名カルビーン・シン(KARVEEN SINGH)がこの組織の代表です。

会社名は、カランの亡きお母さんの名前バーグラティ(Bhagirathi)さんから名付けました。
カランの出身地であるウッタラカンド州リシュケーシュはヒンドゥ教の聖地として有名ですが、Bhagirathiとは、ガンジス川の源流であるバーグラティ川の名前だそうです。

材料の仕入れや、輸出入等でさまざまにややこしかったことが解決されること、そしてインドでの活動がさらに羽ばたくことを期待しています。
生産拠点であるデリー・ブッダガヤで働くスタッフ全員にもさらにより良い環境をつくれるように励んでいきたいと思います。

現状では、コロナ禍で先行きが不透明な時期ではありますが、強制的ではあるけれど、見直しの期間をもらって、より良い社会を自分ごとで生み出していこう、という気持ちで、乗り越えていけたらと思っています。
※ブッダガヤは7月1日に再稼働した1週間後に、再びロックダウンで今月末まで生産を再度中止中です。

今後とも、合同会社nimai-nitaiならびM/s Bhagirathi Enterprisesをよろしくお願いいたします。

合同会社nimai-nitai 代表 廣中桃子
M/s Bhagirathi Enterprises Karveen Singh

代表 廣中より

現地への支援内容について

この度、インドの人々の生活サポートのために企画した「いつの日かハンカチとして」、「インド生産者の支援のために」では、たくさんのご注文をいただいております。 心より感謝申し上げます。

3月22日に発令されたインド全土のロックダウンから、約2ヶ月が過ぎましたが、いまだに状況は大きく変わっておらず、感染者が増え続けているようです。
6月1日時点でのインドの状況ですが、首都デリーは6月末まで引き続きロックダウンが延長されることになりましたが、ニマイニタイの工房は、州境に暮らす縫製職人たちは州間の移動ができませんでしたが、アトリエに住み込みという形を検討し、2ヶ月ぶりに生産活動を再開できる見込みです。

5月末の情報によると、ブッダガヤが属するビハール 州では2587人が感染し、死者数は13人とのこと。感染者は比較的少ないようですが、首都で働いていた出稼ぎ労働者が大量に失職し社会問題になっており、今後出稼ぎから戻った感染者からの広がりが心配されています。 ブッダガヤのホテルの多くは、こういった出稼ぎ労働者のための、2週間の待機場所となっているようです。
ブッダガヤのアトリエは、観光地の中心地にあり、待機する人々との接触が避けられないことから、当面の間再開しない予定です。

そのような厳しい状態の中ではありますが、ニマイニタイでは、少しでも現地の仲間に希望を持ってもらえるよう下記の仲間たちからサポートをしていきたいと考えています。

1.  学費・生活サポート 

サントス・クマール(Santosh kumar)

代表廣中がはじめてブッダガヤを訪れた2007年から親交があります。子どものころから孤児院(現在のAOZORA SCOOL)で育ちました。コロナの影響により深刻な状況に陥っており、当面の間の学費・生活支援をします。

名前 / Santosh Kumar
年齢 / 18歳
所属コース / コーチングクラス(日本でいう塾や職業訓練所のようなもの)

状況 / 政府の仕事に就くため、一人暮らしをしながら、コーチングに通う。2名の学生に家庭教師として教えて生活費をわずかに稼いでいた。コロナの影響により、収入はじめ、最低限の食糧を買うお金もそこを尽きてしまい、知り合いの食料品店から後払いで食料を得ている状況。

一番右がサントス

2. ブッダガヤの生産者約20名の生活サポート

ブッダガヤの生産者の女性たちの多くは、スマートフォンを持っておらず、日本でいうガラケーのような携帯電話で定期的にやりとりを続けています。
多くは、家が持ち家の場合は、政府から配給されるわずかな食料品で凌いでいるようです。

政府機関に勤める友人の情報によると、インドでは

・3000万人の貧困層に1000ルピー支給
・8700万人の農民に2000ルピー支給
・3ヶ月間、Jan Dhan口座を持つ2億人の女性に毎月500ルピー支給
・3か月間、8億人に食糧や料理用ガスを無料で提供

などの支援が実施されているようです。

3. 西ベンガルのカディ職人の生活をサポート

ニマイニタイの服地を作ってくれている西ベンガル・ムルシダバード村のカディ布の手職人の多くが出来高制によって生活費を稼いでいること、また奥地ということもあり政府の支援が届いていない様子で、やりとりをしている中でも特に深刻な状況であると感じています。

ライフラインが整うまでにも時間がかかる故に、彼らが元の生活に戻れるまで、継続した注文を行い、収入源を確保してもらえるよう取り組んでいきます。

その他、やりとりがまだできていない職人さんたちも多く、状況の把握次第で、取り組んでいきたいと思います。

合同会社nimai-nitai
代表 廣中桃子

代表 廣中より

インドの今 - ロックダウン・デリー編- 

デリー・ブッダガヤの仲間とのやり取りは続けています。
携帯電話はこういう時に本当に便利ですね。

デリーの縫製職人チームは、家族なのでみんなひとつ屋根の下。

食材を購入したり、最低限の生活には問題はないようです。

彼らは口座も持っているので、オンラインで送金もできる状態なので、ひとまず仕事が再開できる日を待つのみ。

一つ心配なのは、カリムさんがえらく太ってしまったこと。

「毎日寝るしかなくて、太りました。。」とのこと。

以前のようにミシンが踏めるのか!?という不安がよぎりますが、そんなことも一緒に笑える再会の日が来るまで、元気に暮らしてほしいです。

ロックダウン前のカリムさん・リナさん一家

カリムさん弟のチャンドゥさん

ロックダウン中のカリムさん一家
ロックダウン中のカリムさん弟

デリーのアトリエ兼自宅にいるカランは、4月22日から徐々にATMまでは外出ができているようです。

ATM自体に現金が入っておらず(ロックダウン中に限らずインドあるあるです)、結局この日は、送金できなかったそう。

ATMに行く同中で、路上で暮らす人々に、周辺の人が炊き出しをしたりしている姿をちらほら目にしたそうです。アトリエのあるsaket(サケット)の近くは、感染者が非常に多い地域もあり、外出禁止令の中でも、さらに「封じ込めゾーン(containment zone)」に指定された地域は、完全封鎖措置が実施され、家や敷地から外出することを禁止されています。その地域では、食材も政府から配給されるそうです。

まだしばらく先が見えない状態のデリーの現状です。

合同会社nimai-nitai
代表 廣中桃子

代表 廣中より

インドの今 - ロックダウン・ブッダガヤ編-

ブッダガヤのメンバーは、スマートフォンを持っている人が少ないので、12年来の付き合いになる孤児院AOZORA SCOOLで出会ったラクシュマンが現地の写真を送ってくれています。
外出禁止令の中、どうやってこんなにさまざまな場所の撮影ができてのか?と尋ねると、友人にお願いしてそれぞれの家から可能な範囲で撮影してもらったのだとか。
なんて気が効く子に育ったのだと、感激したのでした。
ありがとう、ラクシュマン。

ブッダガヤにはコロナ感染者は出ておらず、野菜や生活必需品の購入に外出することはできるようです。

学業を続ける孤児の中には、お金がそこをついてしまい、一文無しになってしまったという連絡も入っています。

サントスも同じくAOZORA SCHOOLを卒業生で、ガヤ市内で1人暮らし、2人の家庭教師のバイト代で生活しながら、公務員を目指しています。

サントスには、頼りになる親族が周りに1人もいない状況でとくに心配している学生の1人です。


食材や野菜を売るお店の人には事情を説明して、後払いという約束で、食材を仕入れているのだとか。


まずは、会社として、サントスの生活と学業サポートをしていきたいと思っています。

左からラクシュマン、 ニケシュさん 、サントス
※ ニケシュさん はハティヤール村にあるAOZORA SCHOOLの創設者

ゴールデンウイーク明けには、コロナによる特別応援企画をオンラインショップで公開予定です。


生活必需品以外のお買い物に支出する気持ちになれない時期ではありますが、応援よろしくお願いいたします。

合同会社nimai-nitai
代表 廣中桃子